復讐の芽 ***藤林長門守*** 魔王5
FC2ブログ
復讐の芽 ***藤林長門守***
魔王5
 もう帰る日になって信長から茉緒に呼び出しがあった。清州の探索はすべて終わっている。
「弾正に興味がある」
 茉緒の顔を見るなり信長が突如言い出す。茉緒はあの小姓を抱いて天上を見つめていた目を思い出した。
「私は今井の」
「弾正の忍者だろう?」
 藤吉郎が慌てている。
「忍者は嫌いだが、必要なものだし、弾正の魔王には興味がある。天井から覗くのはどうかな?」
 気づいていたのか。それとも屋根裏に忍者がいたのか。
「おそらく弾正は畿内を握る。それまでに藤吉郎を弾正に引き合わせてくれ」
「弾正は畿内を?」
「あれはなかなかの策士だし、堺を握っている。だが天下を収める器ではない」
「織田殿は今川を破られた。次は京に上るのですか?」
「上る。だが天下を盗るには日本は広い。まだ歩き始めたばかりだ。でも時間はない」
「なぜそんなに急ぐのですか?」
「天下は熟れる時にしか盗れない。魔王も何かを盗るなら時間を大切にするのだ。さらばだ」
 信長はもう立ち上がっている。




スポンサーサイト




テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する



プロフィール

yumebito86864

Author:yumebito86864
夢人です。『夢追い旅』『ぽろんの女』『空白』『刺青』と書き続けてきましたが、すべて古いノートから書き起したものです。今回は初めて時代物でこれは私の夢の中で永い時間をかけて育ったものです。



最新記事



最新コメント



月別アーカイブ



カテゴリ



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR