復讐の芽 ***藤林長門守*** 伊賀の統一10
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復讐の芽 ***藤林長門守***
伊賀の統一10
 途中で弾正から一人放れた。夜には藤林の屋敷の前に着いた。小川を下ると慎吾が言っていた床下からの地下道の出口があった。大きな岩に塞がれたように見えるが、草むらの中に暗い穴が見える。潜っていくと屋敷の床下に出る。父に抱かれたここから脱出したのだろうか。ようやく持ち上げられる岩盤が載っている。
 妹御の部屋の真下に来た。ここだけは床板が埃をかぶっていない。慎吾が出入りに使っているのだろう。
「慎吾か?」
 妹御が短刀を構えて座っている。忍びの心得がある。
「いつぞやの女忍か?」
「茉緒です。慎吾さまは?」
「部下を連れて京に出かけています。明日の夜には戻ると言ってましたが。話がしたい上がってください」
 茉緒は覆面を取って正座する。
「そなたは兄とはどういう関係なのだ?」
 茉緒は黙って背中の剣を差し出した。妹御は剣を抜いて、
「兄のもの」
「だが息子だ?」
「慎吾さまには内緒にしてください」
「抱かれたのか?話すまい」
 茉緒は頷いて下半身を曝した。
「男…」
と言ってふぐりを裏返す。
「黒子がある。私はあなたの世話もしていたのですよ」
 二人は尽きることなく話を朝方まで続けた。










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テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

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Author:yumebito86864
夢人です。『夢追い旅』『ぽろんの女』『空白』『刺青』と書き続けてきましたが、すべて古いノートから書き起したものです。今回は初めて時代物でこれは私の夢の中で永い時間をかけて育ったものです。



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