復讐の芽 ***藤林長門守*** 大海へ12
復讐の芽 ***藤林長門守***
大海へ12
 柳生の村に通っている薬売りと柳生の道場の裏まで登る。リーは逃げ口に張り付かせて茉緒は黒装束で床に潜る。床の上では足音が絶え間なく続く。それがぴったと止まり物音が消えても気配を消している。だが床に一人座っている。気配がない。
「宗矩はおらん。姿を見せよ」
「なぜ柳生は闇の世界に生きる?」
 石舟斎を見たのは2度目だ。
「噂の藤林の亡霊か?」
 茉緒は思わず姿を見せた。石舟斎の不思議な力を感じる。
「宗矩は剣の道から離れた。魔王の話は聞いておる。一度構えてくれぬか?」
 立ち上がって剣を抜いている。
「復讐の剣だな。だが殺意がない」
「復讐は果たした」
「そこのもう一人は動くな。打ち込んで来るのだ」
 体が無意識に飛び上がっている。果心居士と同じ力を感じる。茉緒は次の瞬間石舟斎に抱きかかえられている。
「宗矩と互角だな。藤林は女だったとは。これは胸のうちに仕舞っておこう」
 急に金縛りから放たれて走り出している。同じようにリーが付いてきている。
「化け物ですね」
「ああ。いい戒めになったよ」












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テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

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Author:yumebito86864
夢人です。『夢追い旅』『ぽろんの女』『空白』『刺青』と書き続けてきましたが、すべて古いノートから書き起したものです。今回は初めて時代物でこれは私の夢の中で永い時間をかけて育ったものです。



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