復讐の芽 ***藤林長門守***
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復讐の芽 ***藤林長門守***
伊賀の統一12
 服部保長が100人の忍軍を率いて京の百地の隠れ家を襲った。この襲撃で百地の京の忍者が30人失われた。藤林がそれに代わり六角の依頼で再び50人を京に出すことになった。珍しく頭が忍軍を率いる。小頭は前回足を切られたので屋敷に残る。慎吾は松永弾正の調査に出かける。
 茉緒は慎吾から小頭の愛人の家を教えられている。早いうちから愛人の家の屋根裏に潜み、愛人を観察していたがふと思いついて彼女と入れ替わる。化粧を施せば体型はあまり変わらない。これから部屋を薄暗くして半裸で蒲団の中で背中を見せて横になる。
 小頭がそっと戸を開けて入ってくる。裸を見てもう裾をまくっている。茉緒は両足を上げて小頭の体を抱き込む。小頭のものが膨らんだまま茉緒の中で締め付けられ悶絶した。茉緒は起き上がると小頭を全裸にして皮で縛って水をかける。
「どうだ耐えれるか?」
「何者だ?」
 紫色になった指を切り落とした。
「これから言うことに答えなさい。15年前当時の小頭が藤林のお館を殺したのですね?」
「殺したのは奥方だ。小頭は奥方に誘われた」
「どうして奥方はお館を殺した?」
「奥方は性奴だった。それでお館は離縁を考えていた。それを奥方は知って逆襲した」
「今のお館が小頭と知っているのは?」
「私だけだ」
 その声と同時に首の骨を折った。








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伊賀の統一11
 夜にまた小川の岩の前に来た。その時そっと影が動いた。茉緒は刀に手をかけた。影はついてこいとばかりに小川の道を走り抜け古ぼけた神社の中に入る。そして床下を剥がすと階段を下りて行く。
「ここは藤林を見張るために使ってきた。今は同志の会合の場だ。今日は屋敷に入るのは不味い。六角家の京での仕事を終えて荒れている」
「なぜ荒れる?」
「六角家が京に攻め上がる。だがこれは三好との裏の連携がある。三好には百地が付いている。それで安心して将軍家を襲ったのだ。だが柳生の軍団に襲われて30人のうち半分が切られた」
「慎吾も?」
「ああ強い」
 足利将軍の警護を依頼したのは松永弾正だ。そのために身が危険になるのに果心居士を送った。三好は百地を使って弾正を襲い、六角は藤林を使い同時に将軍を襲った。
「手を結びたいの?」
「聞きました。このままでは藤林も危ない。どうする?」
「私に考えがある」
 茉緒はそれ以上話をさせず、慎吾を抱きかかえた。茉緒はくの一として体を預けてきた。だが慎吾とは快楽で抱かれている。凛を抱くと心の安らぎに向かう。慎吾とは燃えた火を鎮められない。これが恋というものだろうか。慎吾のものを口で大きくして後ろに誘い込む。





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伊賀の統一10
 途中で弾正から一人放れた。夜には藤林の屋敷の前に着いた。小川を下ると慎吾が言っていた床下からの地下道の出口があった。大きな岩に塞がれたように見えるが、草むらの中に暗い穴が見える。潜っていくと屋敷の床下に出る。父に抱かれたここから脱出したのだろうか。ようやく持ち上げられる岩盤が載っている。
 妹御の部屋の真下に来た。ここだけは床板が埃をかぶっていない。慎吾が出入りに使っているのだろう。
「慎吾か?」
 妹御が短刀を構えて座っている。忍びの心得がある。
「いつぞやの女忍か?」
「茉緒です。慎吾さまは?」
「部下を連れて京に出かけています。明日の夜には戻ると言ってましたが。話がしたい上がってください」
 茉緒は覆面を取って正座する。
「そなたは兄とはどういう関係なのだ?」
 茉緒は黙って背中の剣を差し出した。妹御は剣を抜いて、
「兄のもの」
「だが息子だ?」
「慎吾さまには内緒にしてください」
「抱かれたのか?話すまい」
 茉緒は頷いて下半身を曝した。
「男…」
と言ってふぐりを裏返す。
「黒子がある。私はあなたの世話もしていたのですよ」
 二人は尽きることなく話を朝方まで続けた。











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伊賀の統一9
 生駒を越えたところで宿を取る。弾正は民家に泊めて凛と下忍が2人と手練れの侍で守る。後の本隊は宿を警備させる。囮の部屋の隣の部屋には目つぶしを投げる下忍と長槍を構えた侍10人を並べた。もちろん廊下側も10人並べた。忍者は屋根からくると見た。茉緒は一人屋根に飛び降りれる大木の上にいる。
 月明かりの中百地の忍軍が屋根に上がってくる。真に手早く瓦を除けて1人1人と消えて行く。茉緒は懐の目つぶしを混ぜた火薬玉を握る。しばらくしてもうもうと煙が上がってくる。最初の覆面が顔を出した。それにめがけて火薬玉を投げ込む。3発を投げ込んだところで屋根に飛び降りる。5人が上がった来た。それにめがけて切り込む。3人を切り倒したとこで新たに5人が顔を出した。
 これは逃げるか!下では上手く刺し殺せなかったのだろう。やはり忍者をすべて投入すべきだったか。
「伏せろ!」
と言う声が響くなり物凄い突風が吹いた。
 茉緒は鬼瓦にしがみつくも体が浮くようだった。屋根の上の忍者は全員吹き飛ばされる。
「果心居士か?」
「遅れたな。儂が抱くまで死んではならん」
 いつの間にか大屋根に立っている。
「弾正様とは?」
「子供の時からのつき合いだ。一緒に泥棒をしたこともある」
 松永弾正の出目は知られていない。
「お前も不思議な奴だがあ奴も不思議な奴だ。そういう奴と付き合っていると飽きないわ」
 もう姿が消えている。






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伊賀の統一8
 凛たちが戻ってきて弾正の周りを警護している。弾正は盛んに人を呼んでは会っている。
「凛どうであった?」
 屋根裏で口を動かしただけの会話をする。
「服部が藤林の館を襲ったようで、双方に20人ほどの死者が出たそうよ。藤林も本家が攻められるようでは先は長くないという噂よ」
「一度慎吾に会わないと」
 茉緒の頭の中にはある計画が浮かんでいる。そのためには慎吾と組むことが前提だ。
「降りて来い」
 弾正の声だ。茉緒は目で凛を部屋に降ろした。しばらくは茉緒と凛は二役で行こうと思っている。凛が降りたが弾正は気付いていない。
「長慶の指示ではないが、取り巻きが儂の暗殺を計画したようだ。これから大和の国に戻るが警備を頼む」
「では至急に手配をします」
 いつの間にか声色も一緒になっている。
 屋根裏部屋に戻るともう一人の女忍を荷隊の頭として1人の下忍を付けて戻るように指示した。残りは松永弾正の50人ほどの手勢の警護に当たる。これは三好と弾正の裏での殺し合いが始まる。
 動くとなると弾正は素早い。長慶が京に立や否や移動を始めた。茉緒は前後に探索を出して凛を弾正への報告役とした。彼は凛を茉緒だと思っている。
「後ろに百地の軍団が来ています。総勢20人」
「その人数なら夜討ちだな」





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yumebito86864

Author:yumebito86864
夢人です。『夢追い旅』『ぽろんの女』『空白』『刺青』と書き続けてきましたが、すべて古いノートから書き起したものです。今回は初めて時代物でこれは私の夢の中で永い時間をかけて育ったものです。



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