復讐の芽 ***藤林長門守***
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復讐の芽 ***藤林長門守***
変遷15
 分かれ道は源爺が作った偽の道だ。本当の分かれ道はもっと高いところにある。凛は示し合わせていたように獣道を谷まで降りたところで鉄砲を構えている。凛が一人その中を転がるように駆けてくる。後ろには服部が20人ほど続いている。鉄砲が火を噴く。服部がさっと木陰に消える。
「時間が経てば服部の本隊が登ってくる。火薬は?」
「さほど残っていません」
「姉さんどうする?」
「谷から尾根道に戻るしかない」
 服部の銃声が轟く。30艇はある。移動を始めるがバタバタと倒されていく。確実に囲まれ始めている。半刻が経ち山の上に更に忍軍が登ってきている。ここに半蔵の父がいるようだ。茉緒は鉄砲の飛距離まで這っていく。昔そうして腕を打ったことがある。狙を定めるがそれより前に背中に玉を受けて体が飛ばされる。すでに囲まれている。
「茉緒走り抜けるのだ」
 声が聞こえた。そろりの声だ。思わず茉緒も叫んだ。
「凛今だ走り抜けるのだ!」
 だが体が動かない。急に至る森から人が降ってくる。服部にその群れが襲いかかっている。凛たちは傾斜を登っている。視野が真っ暗になる。
 お終いだ。






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変遷14
 辛うじて砦から服部を追い落とした。下まで来ていた服部は火薬玉で草むらまで下がった。やはり半数が藪の中を登っている。抜け道から砦に降りて来る。
「鉄砲と火薬を谷から尾根に運び上げるのだ。予定通り砦は破壊する」
 元々砦を服部とともに破壊して幕を引く予定だった。
「早く入ってください!」
 谷の中の洞穴をよじ登る。後ろからもうついてきている。明りが見えた途端、
「点火しろ!」
 瞬間目の前が真っ暗になる。
「早く掘りだすの!」
 凛の声がして茉緒は泥の中から顔を出した.。
「何人いる?」
「36人です」
 14人を失った。
「尾根道を走れ!服部はこの道も調べている。凛は30人を連れて分かれ道で偽の道に誘い込むのだ。そこでもう一度服部を打つ」
 それだけ言うと茉緒は6人を連れて崩れた崖道から獣道に登る。だがすでに服部の部隊が藪から飛び出してくる。手に持っていた火薬を投げる。だが手勢の6人も切られていく。茉緒も5人6人と切っていくが引きとめるのは限界だ。抜け忍村と造船所だけは守らないとダメだ。
 茉緒は死を覚悟した。









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変遷13
「崖から忍者が降りてきています」
 砦から伝令が走ってくる。もうすでに砦内で切り合いが始まっている。
「凛はここで服部の本隊を足止めするのだ。私は10人を連れて砦内の服部の相手をする」
 見た感じ50人が崖から侵入したようだ。このままでは砦に服部の本隊が登ってしまう。尾根道まで知られてしまっているのか。砦は服部が優勢だ。茉緒は10人ともに服部に切り込む。下にはもう服部の本隊が迫っている。凛の隊が連射を始めている。服部の本隊は150人を超える。
「切るのではなく砦から落すのだ。火薬玉を使え」
「引き上げてきます」
「階段を落す用意をするのだ」
 砦の服部は20人ほどに減った。こちらは半分を鉄砲を持って服部の本隊が追ってくるのを狙撃する。
「階段を落してください!」
「上がるまで落とさん!」
 凛の声に叫び返す。凛の部隊が半分に減ってる。服部の作戦に嵌ったか。ようやく凛達が階段を駆け上ってくる。茉緒は後ろ来ている服部に切りつける。同時に階段が爆破される。
「鉄砲を打ち込んで火薬をすべて投げ入れるのだ。凛は谷を先に登れ」
「作戦は変更ですか?」
「服部はまた抜け道からくる。撤退だ」









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変遷12
 大阪城が陥落を見る前に堺の下忍を20人連れて走る。凛は半月前から服部の拠点を隠れ忍者と連戦している。途中で繋ぎの下忍から凛の位置を知らせてくる。いよいよ服部宗家から半蔵の父が2百の忍者を偽の抜け忍村の山の裾のに集結したと言う。やはり偽の抜け忍村の場所を調べ上げていた。
「凛は?」
「今森の中に入ったようです」
「よし一度後ろから鉄砲を打ち込んでから森に入ろう。凛に伝えてくれ」
 連射をしながら走り抜ける。森の中からも連射が始まる。服部は2つに分かれて体勢を整える。だがもう茉緒は森の中に入っている。凛はすでに獣道から吊り橋を渡り偽の抜け忍村に入る。茉緒は森の中から誘い込みのために連射を続ける。服部も鉄砲隊を並べる。
「早く渡ってください」
 すでに向こう岸の草むらの小屋に凛の部隊が予定取り鉄砲を構えている。茉緒を残して全員先に砦に入る。
「一斉攻撃は吊り橋を落すまで」
「服部も鉄砲を思ったより揃えてるな」
 どうも服部もこの日を想定していたようだ。
「凛早めに吊り橋を落そう」
「どうして?」
「予感よ」
 早くも吊り橋に服部が群がってきている。引きつけて射撃を開始する。10人ほどがバラバラと川に落ちて行く。だがそれ以上は渡ってこない。
「思ったより少ない。吊り橋を落せ」







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変遷11
 家康がついに大阪城を再び取り囲んだ。思ったよりの善戦だ。その頃長安から依頼を受けていた南蛮船が大筒を運んできた。茉緒は廻船を出して堺の港ではない泉州で積み替えた。南蛮船を見せるべきではないと思ったからだ。あくまでも宗久の納品とした。
 茉緒は大筒の攻撃が始まる前に大阪城に潜った。大阪城には大阪方の忍者はおらず服部が至る所にいる。茉緒は服部を避けるように天井を這う。茶々の居間だ。
「和解は?」
「考えられぬ」
 大野が茶々を抱いてた。秀頼は大野の子供と噂だ。二人は大阪城が崩壊するとは思っていないようだ。広間では籠城派と野戦派と延々と揉めている。だが二人がこの調子では。今頃大筒が据えられた頃だ。飛距離からここは届かない。闇が動いて取り囲んだ。3人がいる。茉緒は逃げ道を見定める。羽目板の向こうに2人の下忍を置いている。
「そろりではないな。まさか魔王が生きていたのだな」
「半蔵だな」
 忍者しか聞こえない声色だ。
「残念だが戦っている間はない。大筒が飛んでくる」
 次の瞬間に半蔵は消えた。茉緒も同時に羽目板に飛び込む。大屋根に大筒の玉が落ちた。半蔵は大筒が飛んでくるのを知ってた。半蔵は何かを探していた。家康は太閤の財宝だ。








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yumebito86864

Author:yumebito86864
夢人です。『夢追い旅』『ぽろんの女』『空白』『刺青』と書き続けてきましたが、すべて古いノートから書き起したものです。今回は初めて時代物でこれは私の夢の中で永い時間をかけて育ったものです。



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