復讐の芽 ***藤林長門守***
復讐の芽 ***藤林長門守***
秘密6
 藤林の女忍からの繋ぎがあった。ほとんど同時に凛と茉緒の組が抜け忍村を出る。茉緒の組は藤林の館を取り囲むように結界を張る。茉緒は藤林の頭巾を被って屋敷に入る。繋ぎの内容は平太の探索していた女中を捕らえ3人を地下牢に監禁したとの報告だった。
 やはり平太の言っていたように奥方の窓に白い布がぶら下げられた。夜に茉緒は初めて奥方の部屋を覗いた。
「どうした風の吹き回し?」
 言葉の端に怒りが籠っている。茉緒は黙ったまま持ってきた酒をあおる。奥方は酒に目がない。この酒には発情の薬を混ぜてある。茉緒も腹をくくって飲んだ。飲まないと到底できない行為だ。一人飲んでいると急に酒に手を出した。すでに茉緒のものは反りかえっている。
「あなたは何者?」
「藤林だ」
「覆面を取なさいよ!」
 だが奥方の目が血走ってきている。茉緒は天井を見た。上に凛がいる。もう全裸になった奥方が茉緒のものを誘い込む。体に震えが走る。がむしゃらに腰を振ってくる。薬のせいか衰えることがない。茉緒は思い切って入れたまま背中に回る。両足を引き上げて尻の穴を覗き込む。
「黒子がある!」
 今殺すか?その瞬間茉緒のものが弾けた。やはり今は不味い。
 奥方は白目を剥いて泡を吹いて失神をした。











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秘密5
 3日目に凛が隠し村に現れた。
「ここは2度目よ」
「ところで堺は?」
「秀吉が弾正屋敷に入って堺を掌握したわ。今井宗久さまは本願寺とも商いをして和歌山に200艇の鉄砲を運び込んだわ。織田は本願寺には手こずってるようだわ。いよいよ平太を捕まえたようね?」
「それで話があったの。奥方は母ではなく母の姉だった」
「よかったね。母を殺すのは嫌だから」
「平太が繋ぎ役をしていたようだけど、まだ藤林には奥方と繋がっている使用人がいるようなの。凜の組が藤林の頭になって戻ってほしいの」
「戻るとどうなるの?」
「奥方の兄が襲撃をしてくるわ」
「で?」
「戻ったらすぐに私と入れ替わる。凛は私の組を山に伏せるから指揮してほしい」
「奥方をやるのね?」
「ただ確かめることがある」
 その夜久しぶりに父の夢を見た。父は脇腹を刺されて茉緒を抱えてひたすら尾根道を走り抜ける。呪文のように茉緒の中に父の声がこだまする。
「妻ではない!殺せ!」
「妻ではない!殺せ!」
「妻ではない!殺せ!」




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秘密4
 白い布が出される時は頭巾を被った藤林が戻ってからだ。今は小頭と大和の国にいることになっている。密やかに陰茎を切り離した倅の平太を抜け忍村に運び込む。女忍に藤林の古参の使用人を調べさせている。どうも平太以外にも奥方の手足になっている仲間がいるようだ。
「源爺例の計画は進んでいますか?」
「茉緒久しぶりだなあ」
 源爺は茉緒を連れて洞窟の上の穴に潜る。服部に攻められて爆発させた穴を元通りにしている。獣道に出て1刻走ると源爺が止まった。どこにも目印のない鬱蒼とした森の中だ。
「ここに入口を見つけた」
 源爺は草むらに埋もれた水の道を降りてく。確かに人が通った跡が出来ている。やはりここも洞窟になっていて潜っていく。急に視界が広がる。どこで踏んだのか鈴が鳴り響いている。5人が剣を抜いて現れる。茉緒と気付いて笑っている。もうすでに母屋が建っていて畑が耕されている。
「ここにはすでに開拓のために年寄りと若者を15人入れている。もう一月で完成だ。間に合ったかな?」
「ええ」
 茉緒は伊賀に何かとんでもない異変が起こるように気がしている。服部の統一かどうかは分からない。
「ここは盆地になっていてこの奥に流れ落ちてきた水が溜まる池がある。広さは抜け忍村の3倍はあるな。ここなら鉄砲の練習も気兼ねがいらない。堺からさらに10艇運び込んで練習を始めている。今日はここでゆっくりすればいい」
 母屋には片腕の源爺の妻がいる。







 

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秘密3
 小頭で偽の藤林の息子を地下牢にとらえた。
「どこまで知っている?」
 茉緒が自ら拷問をする。
「その傷は婆の実家で私に付けられたものだよ。もう奥方と悪さが出来ないように陰茎を切り落とす」
 全裸にされて両足を開いてまな板に萎れた陰茎がある。女忍が陰茎をしごくと大きくなる。茉緒は玉の一つを切り出した。泡を吹いて失神するのを水をかける。
「奥方さまが姉さんだったのは婆から聞いた。親父も知らなかったと思う」
「尻の穴の黒子は見たか?」
「知らない」
「実家でどこまで話が進んでいる?」
 答えないのでもう片方の玉も切り取る。
「奥方は今の藤林さまが偽物と替わったと思われている。それで暗殺を柘植に依頼した」
「印は?」
「奥方さまの部屋の窓に白い布が出た時」
「実家の誰がそのことを知って手伝っている?」
「兄さまだ。奥方さまは子供の時から兄さまに抱かれていた。妹を犯して殺したのは兄さまだ」
 母は実兄に殺されていた。
「墓はあるのか?」
「姉の名で墓が裏山の池の傍にある」
 ほとんど同時に女忍に揉まれて大きくなった陰茎が切り落とされた。
「化膿止めをしてやりなさい」






 

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秘密2
 茉緒は女忍を連れて婆やの里に入る。二人とも薬売りに変装している。柘植の一族に繋がると言うが忍者は20人もいないどろう。痩せこけた畑が山沿いに続く。女忍は畑の奥の小さな神社を抜けてさらに奥の炭焼き小屋の戸を叩く。
「前寄せてもらった薬売りです」
 小屋の中から声がして入れ替わりに神官が出てくる。
「姉さんの話をもう一度聞かせてください」
 警戒した風はない。
「確かにお館さまの妹さまが藤林に嫁ぎましたわ。その時に姉が一緒に参りました。毎年その頃は正月に戻ってきてましたが、首を傾げてあの方は姉さまだと漏らしていました。始めは私も笑っていただが、駆け落ちしていた双子の姉がその当時一緒に暮らしていたが、5年後明神池に身投げしたのだよ。姉が言いだした頃と重なるので気にしてた」
「二人を見分けることはできたのですか?」
「はい。これは姉が二人を子供の時から面倒を見てたので、尻の穴の近くに黒子があるのが姉だと言っていました」
「黒子か?」
 成人した女のその部分を見ることは難しい。父も見抜けられなかったのではないだろうか。
 外で物音がして身構える。めらめらと火の手が見える。四方から火の手が迫っている。先程の神官か。甕の水を浴びて土壁を突き破る。5人の忍者が一斉に飛び掛かってくる。茉緒は一人を切り下げて転げ出る。次の一人の突きを脇に受けて思い切り肘鉄を食らわせる。この忍者は藤林のものだ。
 同じく飛び出た女忍を見て火薬玉を後ろに投げつける。村の半鐘が鳴る。あらかじめ用意していた逃げ道に飛び込んでひたすらに走る。茉緒も女忍も変装をしていたので正体はつかめないだろう。あれは婆の妹も殺す気でいたのだ。奥方は実家と結びついているようだ。










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Author:yumebito86864
夢人です。『夢追い旅』『ぽろんの女』『空白』『刺青』と書き続けてきましたが、すべて古いノートから書き起したものです。今回は初めて時代物でこれは私の夢の中で永い時間をかけて育ったものです。



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